来週から2週間に渡って、DFSS(Design for Six Sigma)グリーンベルトのためのトレーニングが始まります。1週間に渡るトレーニングを、別々な場所で2回行う予定です。そのための準備に、今週は費やすつもりです。準備も含めると3週間がトレーニングのために費やされることになるので、ここは何としても成功させなくてはなりません。
今働いている部署では、若いエンジニア全員に DFSS グリーンベルトのトレーニングを授けています。目的は、若いエンジニアが DFSS を身に付け、それを仕事に活かし、顧客要求に従った信頼性の高い製品を、計画通りに開発できるようになってもらうためです。また DFSS グリーンベルト認定者の数を、部署内で増やすことも目的としています。
我が社でのグリーンベルト認定までの流れはこのような感じです。まず候補者は社内で実施されるグリーンベルトのトレーニングを完了させます。そしてトレーニング終了後に、DFSS を使ったプロジェクトを完成させます。最後にそのプロジェクトを管理職やマスターブラックベルトの前で発表し、その候補者が持つ DFSS の知識や経験が認められれば、晴れてグリーンベルトが授けられます。
発表の際、僕らマスターブラックベルトは、候補者の DFSS の知識や経験を、チェックリストを使って判断します。使用したツールの種類や数、ツールの正しい使い方、統計的なデータの解析方法などを数値化し、計算値がある一定の値に達することで合格を判断します。もしそのプロジェクトが合格ラインに満たなければ、次のプロジェクトで再チャレンジすることもできます。それらプロジェクトの合計値が合格ラインを超えていれば、グリーンベルトを与えるので、一度で合格する候補者もいれば、二度で合格する候補者もいます。
リーンシックスシグマの世界では、このベルト認定方法を、企業や教育機関がそれぞれ独自に定めているので、内容もレベルもまちまちです。ベルトの認定を受けていても、実際の実力は、どの企業または教育機関で認定されたかによって随分と違ってきます。
僕が知る限り、やはりリーンシックスシグマの本拠地である GE(ゼネラルエレクトリック社)で認定を受けた人は、高い実力を持っているように思います。GE社のベルト認定基準は他社に比べて遥かに高く、また社内教育も充実し、豊富なリーンシックスシグマの成功事例があるので、GE社では皆が高い実力を身に付けることができるのでしょう。僕は、GE社のグリーンベルトは、我が社のブラックベルトに匹敵するのではないかと感じています。
企業ではなく、教育機関を通じてもベルト認定を得ることができますが、授業料は結構高くつくようです。教育機関での認定も悪くはありませんが、実経験が乏しくなるため、実際の業務で即戦力にならないところが問題と言えば問題でしょうか。やはりリーンシックスシグマは経験が物を言います。
リーンシックスシグマを社内で推進するためには、コストと成果を考えると、まず社内での教育体制を整える必要があります。マスターブラックベルトがブラックベルトを養成し、ブラックベルトがグリーンベルトを養成するような体制を作り、それを維持することで、次第に企業がリーンシックスシグマ体質に変わって行きます。しかし最も大切なことは、経営者のサポートです。経営者のリーンシックスシグマの理解と情熱が、すべてを決めると言っても過言ではありません。