エッセイ: リーンシックスシグマのプロジェクトをアジャイルで

econoshift の根上さんから、「ソフトウェア開発以外にもアジャイルを使っていますか?」という問いかけがありました。もちろん使っています。最近はプロジェクト・マネジメントの世界でアジャイルを使う Agile Project Management が注目されていますが、それと同じようなことをリーンシックスシグマのプロジェクトで以前から使っています。より正確に言えば、ウォーター・スクラム・フォールに近いかもしれません。

リーンシックスシグマのプロジェクトで使っているウォーター・スクラム・フォールのイメージは次のような感じです。

Water SCRUM Fall
  1. 問題が起こってリーンシックスシグマのプロジェクトが始まると、
  2. まず、チームを集めて問題解決のためのゲームプランを練ります
  3. ゲームプランは Though Map (または Thought Process Map)にまとめます
  4. Thought Map を使ってフレームワーク (DMAIC など)に沿ったタスクを抽出します
  5. 抽出したタスクはバックログになります
  6. バックログに従ってプロジェクトを遂行する際、毎日または毎週、定期的なミーティングを持ち、その毎週リーンシックスシグマの生成物を確かめます
  7. 6 の作業をプロジェクトが完了するまで繰り返します
  8. プロジェクトの成果を確認し、最後はプロジェクトをオーナーに引渡し、プロジェクトを終了します

Though Map やバックログのイメージは、事例のブログ投稿を読んでもらえれば、そのイメージが掴めると思います。

通常のプロジェクトと違い、リーンシックスシグマのプロジェクトは SCRUM と相性が良いと思います。なぜなら、リーンシックスシグマのプロジェクトではツールを次から次へと使っていき、それぞれのツールが①データ入力、②分析処理、③結果報告というプロセスを経ながら生成物となっていくからです。その繰り返しです。これは①コーディング、②インテグレーション、③テストを繰り返しながら生成物となるソフトウェア開発の SCRUM とよく似ています。

ソフトウェア開発の SCRUM のように毎日スタンドアップ・ミーティングが行えるリーンシックスシグマのプロジェクトはあまり多くありません(これまでに 2 例のみ)。しかしどんなリーンシックスシグマ・プロジェクトも毎週必ずミーティングを行い、その週の生成物や報告結果を確認します。Retrospective も定期的に行います。

グリーンレベルのプロジェクトでは、平均して21回(週)ほど SCRUM ミーティングを繰り返します。SCRUM を使ってリーンシックスシグマのプロジェクトを管理しているためでしょうか、どのプロジェクトも大体同じように 21 週前後で収まっています。