早いもので、先のブログの投稿してから8ヶ月も経ってしまいました。ブログの更新が止まってしまった直接の原因は、購入してからまだ1年半しか使っていなかった東芝のノートブック・パソコンが壊れたことです。画像の編集ができるように東芝のノートブックの中でも最高機種を購入していたため、それが壊れたときの精神的ショックはかなり大きなものがありました。
修理をしようと思い東芝への連絡を試みましたが、カスタマーサポートの対応はひどく、また修理費は修理時間従量制とのことで、金額の見積もりすら貰えませんでした。これ以上このパソコンにはお金をかけたくないと思い、思い切って処分しました(高かったのだけど)。これまで東芝のノートブック・パソコンにはずっと良い印象があったのですが、この一件で、今後は仮に製品が存在していたとしても、もう東芝のパソコンは買わないつもりです。
ノートブック・パソコンがなくなると同時に自由になる時間が増えました。良い機会だったので、余った時間を知識の充足に充てていました。それがブログの更新が止まった第二の理由です。
この充電期間中に、以前から考えていた中小企業へのリーンシックスシグマの導入について勉強していました。僕は昔、中小企業に10年ほど勤めた経験がありますが、そのときはリーンシックスシグマのことなど何も考えていませんでした。そのためリーンシックスシグマを中小企業に導入する方法はなんとなく分かっているようで、実はよく分からなかったのです(今でも勉強中ですが)。この充電期間中は、中小企業の現状などを資料と共に勉強し、リーンシックスシグマを、特に中小企業の業績の向上に役立たせる方法などを考えていました。
この8ヶ月、世間では色々な事件がありましたが、やはり気になっていたのは東芝の問題です。あの大優良企業がこんなにも早く崩壊していくのかと思うと、何だか恐ろしくなります。
僕の友人の一人は東芝本社からはるばるこの僻地まで出向して来ていた人ですが、いきなり、何の前触れもなく本社に戻されてしまいました。何があったのかは本人も知らなかったようです。それよりも可哀想だったのは友人達から別れなければならなかった彼の奥さんと、学期中に転校することになった二人の娘さんでした。
そのこととは別に、東芝のことが気になった最大の理由は、東芝がシックスシグマ・カンパニーだったからです。ゼネラル・エレクトリック(GE)にならい、東芝はずいぶんと長い間、積極的かつ全社的にシックスシグマを導入していました。その東芝が経営難に陥ってしまったのですから、「ああ東芝よ、おまえもか」と残念で仕方がなかったのです。
シックスシグマを導入し、かつては大成功を収めたモトローラやコダック、GE などは今や昔の面影はありません。そして東芝もその仲間入りを果たしたわけです。これを見て「だからシックスシグマは役に立たないし、それどころか会社をだめにする」という人が必ずいるので、それが悔しいのです。
僕にとってリーンシックスシグマは、野球で言えば確実に安打を打ち塁に出るアベレージヒッター(巧打者)、例えばイチロー選手のようなものです。決してホームランバッターではありません。しかし、いくらイチロー選手が素晴らしくても、ピッチャーが悪かったり、監督の采配が悪ければゲームに負けてしまいます。またイチロー選手がいるからといって必ずゲームに勝てるとは限りませんし、逆にイチローが試合に出ていなくてもゲームに勝つこともあるでしょう。
ではなぜ球団は高い報酬を出してまでもイチロー選手を獲得したいかというと、やはり大事な時に確実にヒットで出塁し、得点したいからです。
野球を知っていれば、仮にチームがゲームに負けたからといって、それをイチロー選手のせいにする人はいないと思います(イチロー選手が嫌いな人以外は)。それと同じように、仮に会社の経営が傾いても、それは決してリーンシックスシグマのせいではありません。会社の経営が悪かったのです。
百歩譲ってリーンシックスシグマが役に立たなかったとしても、それはリーンシックスシグマ自体が悪かったのではなく、導入の仕方に問題があったり、導入が中途半端だったためだと思います(実は、僕のノートブックが壊れた原因はそこにあるのではないかと疑っています)。
僕は社内でリーンシックスシグマを教えたり、社内コンサルタント的な仕事をしていますが、これは野球に話を戻すなら、イチロー選手のテクニックや技を選手達に教えているようなものです。ホームランバッターにはそのようなものは必要ありません。しかし普通の選手が打率を上げるためには、それが必要なことなのです。
国内問題に話を戻すと、日本には東芝以外にも有名なリーンシックスシグマ・カンパニーがあります。ソニーです。ソニーは一時期、経営が下降気味でしたが、最近は盛り返しているようですね。僕はソニー製品のファンでもあるし、リーンシックスシグマの面からもソニーを応援しています。ソニーがこれまで以上に発展し、成功事例として「リーンシックスシグマを使っているから、ソニーは発展した」のだと言われるように、願っています。