書評: 統計学が最強の学問である

「将来はどんな職業に就きたいのか」と高校生になる息子に聞いたところ、「エンジニアかな」と答えました。「それは良い選択だと思う。でも一体何のエンジニア?バイオから機械、それから原子力からコンピュータまで、ありとあらゆる分野でエンジニアリングの仕事が存在するけど、何のエンジニアになりたいのか」と改めて聞いたところ、「コンピュータ・プログラマーかな」と答えたので、「給料はどんどん安くなるし、グローバルな競争はどんどん激しくなるし、技術の移り変わりも速すぎる。コンピュータ・プログラマー、それだけはやめておけ」と言いました。その代わりに「数学が得意なのだから、統計を使う仕事に就け」と薦めました。統計を使う仕事を息子に薦めたのは、この本が無関係ではありません。

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事例: 測定フェーズと GQM パラダイム

リーンシックスシグマのプロジェクトは、各フェーズの終わりにミーティング(Tollgate Review Meeting)を設けて、そのフェーズの目的が十分達成されていて次のフェーズに移る準備ができているかを審査します。先日あるリーンシックスシグマのプロジェクトがミーティングを無事に終えて、Define(定義)フェーズから Measure(測定)フェーズへと移りました。

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解説: バリュー・ストリーム・マップを作る22のステップ

バリュー・ストリーム・マップは一目で物と情報の流れが掴めるため、プロセスの概要を知るにはとても便利なツールです。しかし実際の作業はもっともっと複雑なことが多いため、バリュー・ストリーム・マップを作った後は「ちょっと単純化し過ぎていないか?」と疑問を持つこともあるのですが、そもそもバリュー・ストリーム・マップの目的は、①問題点を見つけて、②チーム内でその問題点を共有し、③プロセスの改善へと導くことなので、少々単純化し過ぎているくらいがちょうど良いのかもしれません。

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事例: 高電圧保護回路 DFSS プロジェクト

リーンシックスシグマ(DMAIC)や DFSS (DMADV)は問題解決のためのフレームワークです。そのフレームワークの中で様々なツールを順序良く使ってアイデアを出したり、優先順位を決めたり、品質や設計向上のための目標値を決めたりします。グリーンベルトやブラックベルトのトレーニングで様々なツールを DMAIC といった各フェーズごとに学ぶのはそのためです。

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事例: スケールド・アジャイル・フレームワーク (SAFe) 初めての PI プランニング

僕が勤める部門で導入を進めている スケールド・アジャイル・フレームワーク(SAFe)の初めてのアジャイル・リリース・トレイン(ART: Agile Release Train)の、さらに初めての PI(Program Increment)プランニングがやっと終わりました。二日間に渡って行われた大イベントは、総勢 100 名以上、7 つのスクラム・チームとマネージャー達が一堂に集まり、これから発車するアジャイル・リリース・トレインの今後 10 週間のリリース・プランを決めるという決起集会のようなものでした。

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エッセイ: PDCA サイクルとシステム手帳

毎週木曜日の夕方に、僕の同僚達は飲み屋に集まります。そして簡単なつまみとビールだけでいつも色々な話題で盛り上がるのですが、先日はどういういきさつだったかは忘れてしまいましたが、「スケジュールやタスクをどうやって管理しているのか」という話題になりました。僕が「フランクリン・プランナーを使っている」と言うと、皆が「えー、まだ紙を、しかもフランクリン・プランナーを使っているの?本当?化石のようだ」と驚かれてしまいました。

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書評: R In Action

R言語の勉強を始めました。R言語が仕事上これといって必要だったというわけではないのですが、ふと今話題の統計処理用のプログラム言語に興味が出てきて、一冊本を買って読み始めました。実はまだ読み終えていないのですが、読み終える頃には「R言語はリーンシックスシグマで使えるのか」という自らの問いに、ある程度自分なりの答えが見出せているのではないかと思います。

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エッセイ: あえて意思決定を遅らせる

リーンシックスシグマで使うツールの多くは意思決定を助けます。優先順位をつけて意思決定を助けたり、システマチックな思考順序が意思決定に導いたりします。例えば典型的な例は Pugh マトリックスです。与えられた規準を使っていくつかの選択肢の中から一番良いもの客観的に選ぶことができます。他にも意思決定ツールとしては、コンセプト FMEA やデシジョン・ツリーなど、色々とあります。

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事例: 筐体設計 DFSS プロジェクト

製品設計の現場では DFSS がよく使われます。今回は筐体設計(または機械設計)では典型的とも言える累積公差分析(スタックアップ分析)の事例です。累積公差分析は、いくつかの部品を組み合わせたとき(スタックアップ時)に、それぞれの部品のバラツキが完成品の精度にどのように影響するのかを調べるための手法です。

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